タバコを止めた、その後

2003/07/09

タバコを止める。

と宣言したのは、ちょうど去年の今頃。その後、ニコチンガム噛みながら、何とか数減らして、ある日、ぷつりと吸わなくなったのだが、やっぱり、その三日後、「たばこたばこたばこぉー」と歌いながら、街をさまようオトコひとり。街角の自動販売機で購入したラッキーストライク。やっぱタバコは洋モクに限るってわけでもないんだけど、火を着けたらもうだめ。たちまち天と地がひっくり返るような強烈さ。思わず、近くの電信柱にしがみつき、

「やっぱりタバコはやめられないんだよね」

そうは言っても、仕事の都合上、タバコが吸えない所で仕事していた関係で、朝、仕事に出かけるときはタバコを持たず、ウチに帰ってから2〜3本吸う程度に減っていた。

カバンやポケットにあったライター類はすべて、隣の後輩Nに「これ取っとけ」と渡したんだけど、奴はそのうち、いいのは全部持って行き、一番使えそうもないライターを、俺に寄越しやがった。

「持っててくださいよ、島さん、これないと無人島に漂流したとき困りますよ」

無人島どころか海外にだっていけない奴に余計なお世話だ、と思いつつ、ウチにあった灰皿を片付け、トイレに置くようになった。トイレだったら吸ってもいい。そのうち、ビールの空き缶が灰皿代わりになってしまったんだけどね。

そのまんま、どこでタバコをすっぱり止めようかと思いつつ年を越して、いたんだけど、たまたまそのころやっていた仕事の客先のコンピュータ室の隣が喫煙所と来たもんだ。そりゃ我慢できるわけない。

すっかり元の木阿弥にもどってしまったのだ。

ということで、また、元通り、一日一箱のスモーカーに戻ってしまっている。

ところでタバコを極端に減らしていたころ、吸わなくってもよかったと思うこと、悪くなったと思ったことをいくつか。

まぁ、そんな所だろう。

結局タバコを止めるには強い意志が必要だということなのだ。

そうこうしているうちに、随分時代は変わったものだ。私鉄の駅のホームは全面禁煙になるし、街角のあちこちでタバコは吸えなくなるし、税金は上がるし、タバコを吸う人にとっては住みにくい世の中にどんどんと変化している。

確かに世の中から、タバコがなくなってしまえば、街はそれなりにきれいになるだろうし、空気もきれいになるのかもしれない。だけど、嫌煙者のヒステリックな言動は、どんなものだろうかなと思うのですよ。麻薬をボクメツしようとしているヒトビトの方がもっと正しい行動をしているような気がする。かといってタバコを吸う人のだらしない言動も救いがたいものがある。

かつて、客にタバコ関係をビジネスにしているところがあって、どんな会社なんだろうと調べたことがある。客は日本法人なんだけど、本社がどこぞの外国にあるので、そこのウェブサイトだ。

「タバコが社会に与えるメリット」

だとさ。社会に与えるメリット? そりゃなんだ?と思わず突っ込みたくなる内容なんだけど、曰く「税金の何パーセントだかはタバコだ」とか「どこぞの貧しい国の主要な輸出品はタバコである」とか、「タバコ」を「麻薬」に置き換えるとそのまんまだよなぁ、という内容が書いてあった。

その客先はオフィスはタバコフリーであり、一日一箱のこのワタクシでさえ一日二箱に増えてしまったんだけどね。

もう一度タバコを止めてみたいと思うんだけど、やっぱりタバコを止めるには

「きっかけと強い意志」

が要るんだよねぇ、といいながらタバコを吸いながら言ってもなぁ、説得力ないよなぁ。

それにしてもだ、明日から全面禁煙のオフィスでまた仕事だ。しかも入り口はセキュリティロック付き。またタバコを止めるチャンスなんだろうなぁ。

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