主任・島謙作 いきなり iMac を購入する。

3日はシャンプーしていないアタマ。薄汚れた皮ジャン。2日は剃っていない無精ひげ。どっかで貰ってきたリュック、やっぱり休日のアキハバラはこのカッコじゃなきゃイカン。
という事で、ビジネスマン島謙作は正しく休日を取り、師走のアキハバラに出かけたのである。目指すは旧青果市場横のイケショップである。

さて、休日のアキハバラと言えばやっぱり TweTop だの DOS/V パラダイスだの、メモリ格安PCアドバンストとか、ラジオデパートだの、極めつけはロビン電子なんてところもあり、やっぱりジャンクじゃ、などといいながら我が家の寄せ木細工PCタマチャン2号のパワーアップに血道を挙げるのだが、本日の目的は iMac なのだ。

なぜイケショップかというと、やはりイロイロ Palm Pilot についてはお世話になっているし、謙作の顧客の一人がイケショップで iMac を購入したというハナシを聞いていたからである。

さて、この日も格安の SCSI-HDD を購入し、電源が入らなくなった愛機どらちゃんの修理をたのみ。謙作はイケショップにて iMac の購入交渉に入った。価格はシュアに 178,000 値引きなし。ただし 64M のメモリを付けて 192,000 という事なので、税金含め大枚 200.,000 を支払い購入した。当面 Super Disk なんかは付けない。この潔さが時にはケツダンとして必要なのだ。さぁ、困った、帰りの電車賃しかないぞ。

宅配も可能なのだが、時期が時期なので、時間がかかるという。ならば持ち帰れるか?と聞くと、親切な店員はこう答えてくれた。

「クルマなら楽勝なんですが、電車でおかえりの場合は 1,000 のカートありますよ。箱はでっかいけど、ちゃんと改札通ります。ボクがちゃんとカクニンしました。」
という「ボク」のカクニンを信じて電車で持ち帰る事になった。ああ、三年前のあのコマーシャルを思い出す。




 
 iMac であるが確かにセットアップは簡単である。マニュアルなんかはほとんど付属していない。右横のフタの開け方がチトわかりづらい(開け方が書いていないじゃないか)....
そう言えば大抵のPCの場合、ユーザマニュアルに
「こことここのネジを外して、よっこらしょとここを押しながら筐体を押すと開ける事ができる、あ、それから手を切らないようにね」
なんて書いてあるのだが、その必要がないという所、潔いと言えば言えないことはない。

電源を入れるとセットアップウィザードが始まる。電源の入れ方はちゃんと紙に書いてあるのだが、切り方が「絵入り」じゃない所が不親切だなぁ。そういや、 MAC の正しい電源の切り方というのがずいぶん、むかし、話題になったっけ?
ついでにCDーROMのイジェクトの仕方がどこにも書いていない。まぁ、オンラインマニュアルにあるのだろう。今まで何百台というWindowsPCのセットアップ画面を見てきたプロフェッショナル、島謙作としては、ちと物足りないものを感じていたが、これはこれでいいのかも知れない。

島謙作の密かな楽しみとして、 Macintosh に触った事のない人に CDやFDのイジェクトや電源の入れ方、切り方を「じゃやってみ」と言ってやらせるというのがあるのだが、この辺の操作は普通は結構見当つかねぇもんな。

ついでに契約している ISP の DNSだとか必要な事を調べてインターネット接続ウィザードを立ち上げ、電話番号間違えだけで無事に接続、あのいやらしい IE が起動した。さすがオープニングページが Apple.com なのはまだいいとして、 IE はどうあがいて見てもデフォルトで立ち上がってしまうというのが悲しい。ついでに Outlook Mail もなんとかして欲しいなぁ。

次は Nifty Manager を使ってインターネット接続に挑戦する。普通こんな事しないよなぁ、なんて思いながら、雑誌に付いてきた Nifty Manager 4.6 をインストールし、Hyper ROAD に接続し、ブラウザをクリックするとちゃんと Netscape Navigator は Nifty のページに飛んだ。 FreePPP のソフトウェアも添付されているので DNS なんかは自動的に Nifty がセットしてくれる。このあたりちょっと迷うがちゃんとドキュメントを読めば書いてある。

ついでにゲームが付いてきたのでクリックして立ちあげると、ジェラシックパークもどきのシューティングゲームが起動した。これ全然マウスつかわねぇの。しかも終わりかたが解らない。仕方がないので、禁断の Option+リンゴ+ESC で強制終了させる。
あとでちゃんとマニュアルがある事を発見し「リンゴ+Q」で終了できる事を発見。なんか、よくDOSでやったような変なゲームだなぁ。でもやってると一晩でもハマリそうだ。おかげで肩が凝る。



さて、無事購入した iMac の巨大な箱をカートに乗せ、人で賑わうアキハバラの街をよっこらよっこらと歩くオトコ一人、主任・島謙作はアキハバラの駅に向かった。カートを転がし、10分並んで切符を買い、ギリギリの隙間の改札を潜り抜け、込んだ階段を巨大な箱を抱えふうふう言いながら総武線のホームに立つ。

ところでだ。この巨大なハコは結構目立つのだぞ。何しろ通り過ぎるヒトが北京の街角みたいにみんなじろじろ、このハコににじり寄ってくる。そして謙作の無精ひげだらけのカオと見比べている。
そりゃ、どうみても金持っていなそうなやつだしうす汚いカッコしているわけだが、 このハコ見た皆様あたりが結構「いやね、インタネットでね」なんてハナシしてるんだよね。

「コッチみるんじゃない! シッ!シッ!  あっち行け! おれの顔になんかついてんのか? えっ!」
周囲はただ単にでかいハコを持ち歩くメーワクオトコと見るオバサンもあれば、その後、謙作の顔をしげしげ見つめる奴の二種類が居るのだ。恐らく後者の中には「どんなバカがこいつを購入したのか」と思う奴と「どんな奴がこいつのオーナーになるのか」をカクニンする二種類の奴がいるのだろう。

というキブンで謙作は総武線に乗り込んだ。このハコは.。この傾向は引き続き乗り換えた新宿駅、および京王線でも同じだった。

謙作は恐らく、これから iMac をご購入したいとおっしゃる皆様に、購入後は面倒がらずに、ショップからカートで持ち運ぶ事をお勧めするであろう。

もし既にオーナーで、iMac の空き箱持っているなら、中に何か重そうな物を入れて、アキハバラや新宿西口あたりをカートで歩き回ると楽しいかもしれない。世間の注目度は高いぞ。

少なくとも謙作は30ウン年間生きていて、これほど世間、一般大衆からご注目された事件はなかったのである。
 


という事で iMac のセットアップを終えた島謙作は、さっそく出来上がった iMac の荷造りに取り掛かった。悲しい事に、これは彼の愛機にはならないのである。

ビルはママに「指一本で使えるコンピュータ」とい事で、右ボタンにイロイロ隠しコマンドがある Windows 95 を作り上げた。

島謙作は指一本で使えるコンピュータという事で iMac を選び、家族へのクリスマスプレゼントとする事にしたのである。


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